製本教室 連続講座はじめます

製本教室_連続講座

先日もSNSでお知らせしましたが、本づくりについてじっくりと学ぶ、製本教室の連続講座をはじめます。

本づくりってどんなことを想像されるでしょうか。 なんだか難しそう。大変そう。と思われてしまうこともあるんですが、 そもそも手製本は本づくりだけでなく、開いて閉じることができるもの全般に通じる技術なんです。

アルバムやノート、箱なんかも開いて閉じることができるものですよね。

一冊ずつつくるものなので、あまりたくさんは作れないけれど、その代わりに一冊ずつつくるからこそ、できることがたくさんあります。

お子さまのその時その時にしか描けない日々のお絵描き、もう会えない亡くなった大切な人が残したもの、楽しかった旅先での思い出、ご自身の日々描いた絵やイラスト、こころに残る思い入れのある写真たち、大切にしまっておいた包み紙や紙のものなど・・・

きっと人の想いの数だけ、つくりたい本のかたちがあると思うのです。

それは大切にしたいものを持つお一人お一人にしかできないことでもあり、そんなお一人お一人の仕立てる一冊をつくるお手伝いをしてみたいと思っています。

ボタンひとつでなんでも手に入れられてしまうこの世の中、わたしたちの手は働き者の手だったはずなのに、たくさんの便利の代わりに、いつからかスマートフォンや液晶画面などつるつるした同じ手触りのものばかりを触り、似たような動きしかしなくなってきています。

世に販売されている商品も作り手が機械で大量に作りやすい似たようなかたちものがたくさん。

一人一人の大切にしたいものを、想像力を膨らませ、少しずつ手を動かしてかたちにする行為には、そんな世の中に抗い、人間のそもそも持っている力を回復させる行為なのだともいえます。

少しずつしか進まないかもしれない。それでもだんだんとでも自分の手でつくりあげた本や、手を動かしてかたちづくることで得た感覚は、なにものにも変え難い体験になると信じています。

まだ見ぬ本を一緒につくりあげること、心待ちにしています。

2023/06/04