昭和30年の手芸の本の修理
昭和30年の手芸の本を修理しました。
この本はご依頼主さまのお母様の持っていたものを譲り受けた本なのだそう。
本の状態は、経年劣化のため紙がボロボロになっており、本をしっかりと綴じてある金具部分に何枚もの紙がまけてしまっていることと、破れた箇所がセロハンテープやマスキングテープで接着されご自分でなんとか直した跡がみてとれます。
紙の劣化に対してはそのままで、安価にまた開いて楽しめるようにしたいというご依頼でしたので、ページの欠けは大きなもののみ最低限の直しを行いながら修理を行なうこととしました。
まずはページの修理。直すうえで破れに接着された紙を傷めてしまうセロハンテープやマスキングテープは除去させていただき、文字も読むことができるような薄い和紙に変更しながら破れを直し、ページの欠けはページの厚みに近い厚みの和紙で埋めました。
元々綴じてある金具部分を外し、糸綴じに変えさせていただいた上で、表紙は大人色の紙素材で仕上げました。
こんなに内容のボリュームがある本は、今ではなかなかないかもしれないですね。大切な本をお預けいただきありがとうございました。
▼ 制作動画
約127 × 158mm
- 平綴じ
- フランス装
2023