つい先日は

つい先日は、父の5回目の命日でした。 もう5年なんて本当にあっという間で驚きます。

亡くなって、1年が過ぎた頃、母から「お父さんと撮った思い出のある写真があるんだけど、このままとっておくのは忍びなくて、何かいいかたちで残したい」と相談があって。

みたら2人で映ったモノクロの素敵な写真。どうにかなにかできないかと、弟が産まれた時の記念のものをお手本にしながら、当時まだ勉強中の手製本で得た技術をつかって、紙で写真ケースをつくることを思いたちました。

写真いれ

写真を大切にとっておいてもらえるように、写真に傷がつきづらいように、写真をおさめるときも接着剤で写真を傷めず綺麗な形で守れるように、持ち運びたくなったら持ち運べるように・・。

理想となるかたちを考えて、紙をえらんで寸法を切り出し、やりなおしを繰り返しながら。ちいさな写真ケースをつくり、写真を納めて母の元に戻しました。

写真いれ

手製本は本とはいうけれど、なにも本だけをつくる技術ではなくて、紙やたまに布や革など素材を選びながら、つくる内容に寄り沿ったかたちを目指して、開いて閉じることができる構造を、考えたり綴じてまとめたり納めたり、佇まいをデザインするものだと思っているので、この写真ケースも言わば手製本の仲間。

いままで思い入れがあるものを色々作ってはきたけれど、この母のためにつくった写真ケースも、とっても思い出深いものです。

2022/11/02